海の京都にはカニや牡蠣、ブリをはじめとする水産物や、丹後コシヒカリや京野菜、砂地を活かした果物など豊かな土壌ときれいな水が育む農産物があります。今回はこれら地元で収穫された食材を活かした丹後の伝統的な郷土料理をご紹介します。
サバのおぼろを使うのが特徴的な郷土料理。丹後ではお祭りや祝い事など、人をもてなすハレの日にはかかせない家庭の味として受け継がれてきました。長方形の木で作った「まつぶた」に甘辛く炒ったサバのおぼろと寿司めしを重ね、錦糸卵、しいたけ、かまぼこ、紅しょうがで彩りをそえます。サバ缶でも簡単にサバのおぼろが作れるので、郷土料理作りにチャレンジしたい人にとってもおすすめ!トッピングをアレンジしてもかわいいですね!
その名の通り、コノシロをまるごと使った姿寿司!久美浜湾で獲れた25cmほどに成長したコノシロを背割りにして中骨をとり酢に漬けてしめ、おからに麻の実を少し入れて炒り、酢飯の代わりにおからをつめて、甘酢で味付けをします。古くは保存食として冬につくられていました。冬期限定の冬の味覚です。
ちなみに…「コノシロ」という名前にはあまり聞き覚えがないかもしれませんが、江戸前寿司の定番「コハダ」が成長したものなんですよ~!
へしこは丹後地方や福井県の若狭地方の伝統的な保存食です。精米する際にとれるコメの皮である糠に、塩漬けにしたサバをじっくりと長時間熟成発酵させて漬け込んだもの。熟成・発酵することによってまろやかで深みのある味わいになっています。御飯のおかずや、酒のアテはもちろん、お茶漬けやパスタの具材にしても美味しい!意外なアレンジにも使えるおいしくて便利な一品です。
今回ご紹介した丹後地方の郷土料理、あなたはいくつ食べたことがありますか?海から遠い京都の中部以南でも、ばら寿司はお弁当として販売されていたり、ご家庭でも簡単に作ることができるので食べたことある!という方も多いかもしれませんね。へしこもたまに見かけることがありますが、このしろ寿司はかなり珍しい気がします。見つけたらぜひ食べてみてくださいね!