日本海に面した由良川(ゆらがわ)の河口から大江山の山頂までは、距離約48キロ。標高差は832メートルあります。この距離をカヤック、自転車、登山と、人力だけで走破するイベント「由良川・大江山 SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット) 2017」が、9月30日(土)・10月1日(日)にかけて開催されました。ただ体力勝負の過酷なだけのスポーツイベントというわけではなく、開催の背景には大切なメッセージが託されています。まずはイベントの前編として、初日の様子を取材しました。
2009年、鳥取県の皆生・大山大会から始まり、2017年は全国で12大会が催された「SEA TO SUMMIT」。海から山へ。人力で移動することで、人と自然とのかかわり方を改めて見直そうというコンセプトがあります。
SEA TO SUMMIT連絡協議会の辰野理事長は「カヤックで海から山頂をめざせないかと思って始めたが、やっているうちにいろんなものが見えてきたと話します。それは、海の環境には森や山の環境が深く関わっているということ。そして、牡蠣の養殖業を営みながらNPO法人「森は海の恋人」を立ち上げた畠山理事長の名が挙がります。漁師仲間と広葉樹を植える活動を始めた、環境活動のパイオニアです。「畠山理事長が40年近く取り組んできた、海と里山の環境を考えるイベントにしたい」と、辰野理事長の想いがあふれます。
コースは海、里、山の3ステージ。舞鶴市神埼海水浴場でのカヤックに始まり、その後は由良川沿いを自転車で移動。最後は登山で、大江山の頂上をめざします。
イベント初日は、あやべグンゼスクエアで環境シンポジウムが開催されました。海・里・山の環境をいろんな角度から、いろんなスピーカーが講演。「まずは環境について考え、翌日の本大会でいい汗を流しながら自然に親しんでほしい」と辰野理事長は話します。そんなコンセプトゆえに、イベントは2日間に渡って開催されているのですね。
海からの水蒸気が雨となり、山から川へ流れ、再び海へと還っていく。水の流れをたどるルートで、自然の循環に想いをめぐらすスポーツイベント。海と山、そして人も、互いにつながり、影響しあっていることを体感する大会本番は、後編でご紹介します。
この内容は、11月8日(水)にKBS京都「おやかまっさん」(11:00~11:55)で放送されました。
後日YouTubeにもアップ予定ですのでお楽しみに!