7月の京都といえば「祇園祭」。7月17日の山鉾巡行が有名ですが、実は祇園祭は7月1日から31日の1ヶ月間行われている行事です。7月の京都は祇園祭一色!まさに夏の京都を象徴する行事です。そんな祇園祭が別名「鱧(ハモ)祭り」と呼ばれていることは知っていますか?なぜ海から遠い京都市内で、祇園祭がハモ祭りと呼ばれるようになったのでしょうか。夏の京都とハモの関係を探ってみましょう。
この時期の京都を代表する魚のハモですが、海から遠い京都でなぜこんなにもハモが食べられているのかというと、ハモの生命力がとても強いためと言われています。
ハモは本州の中部以南の沿岸に生息している肉食魚で、通常は1mほどですが大きいものは2mを超えるほどになるのだとか。「梅雨の水を飲んでおいしくなる」と言われていて、6~7月に旬を迎えます。まるでウナギのような形のハモですが、ウナギと比べるとかなり大きな口をしていて、さらには鋭い歯が付いています。性格も凶暴で、捕まえようとすると噛まれることも。そんな性格のせいかハモはとても生命力が強く、冷蔵技術や輸送技術の発展していなかった時代にも、海から遠い京都の内陸まで生きたまま運ぶことができたそうです。大阪湾や明石でとれたハモが生きたまま京都にやってくるって聞くとすごい生命力ですよね。
ハモのもう一つの特徴といえば、その小骨の多さ。そのため小骨を気にせず美味しくハモを食べるために、京都では、皮1枚を残して身だけに細かい切り込みを入れる骨切りの技術が発達したそうです。骨切りしたハモを湯引きすると、身がふわっと開いてまるで白い花のような見た目になります。梅肉でさっぱりいただくと、夏の京都のうだるような暑さも和らぐ気がしますよね。
祇園祭の時期にちょうど旬を迎えるハモ。ハモといえば高級料理のイメージもあるかもしれませんが、この時期は居酒屋さんや祇園祭の屋台など、あちこちで気軽にハモを食べることができます。夏の京都の暑さに疲れたら、ハモを食べてみてはいかがでしょうか?ハモの生命力のおかげでちょっと元気になれるかもしれません。祇園祭をきっかけに京都にやってくるみなさんも、ぜひこの時期の京都の味覚をお楽しみくださいね!!