海と日本プロジェクトin京都実行委員会は、京都の海から遠い内陸部に住む子どもたちが、京都の「海の恵み・豊かさ」を学ぶことを目的として、2023年6月10日(土)・11日(日)に「海の京都調査隊~舞鶴湾の生態系を調査せよ~」を開催いたしました。
初日のシーカヤック体験と海の生き物調査、翌日の舞鶴湾で磯観察・環境調査・ウニ解剖実習などを通じて、舞鶴湾の生態系で起こっている異変や磯焼けについて学習した後、「舞鶴かまぼこ」作りの見学を行い、最後に2日間で学んだことの発表会を開催しました。
アクティビティ・観察・座学・実験・試食・発表と盛りだくさんの2日間。子どもたちにとって「京都の海」を知ることができる大変貴重な体験だったようです。そんな様子をご紹介します。
日本三大絶景にも選ばれている宮津市の「天橋立」では、実際に海に入り、シーカヤックの体験と箱眼鏡や水中めがねを使って宮津湾周辺の海の生き物観察を行いました。この後に体験する舞鶴湾との海の違いにも着目し、水中の海の生き物の観察を行いました。
バス内でのアンケートでは、参加者の3分の2以上の子どもたちは京都の海に行ったことがないという結果でしたが、参加した子どもたち全員が自ら楽しそうに海に入り、事前学習で学んだことをもとに調査し、実際に自分の肌で海の温度や感触を体感していました。
京都大学 フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所の益田教授による京都大学舞鶴水産実験所前の舞鶴湾での潜水実演にて、採れた生き物や海藻の観察を行いました。子どもたちは、海で採れた生き物を教授から受け取り、実際に、生き物と触れ合いました。
後半は京都大学舞鶴水産実験所で進められている海を守るための研究を見学し、舞鶴湾の生態系で起こっている異変について学びました。海藻を食べるウニが増えて磯焼けが起こっている現状を学び、翌日のウニの捕獲・解剖体験へと繋げます。
2日目のはじめは、舞鶴小橋で、磯の周りで海水温や湾内の環境調査を行い、宮津湾との違いについて調査しました。また舞鶴の生態系の中でも変化が見られるウニについて、磯での発生密度を確認しました。代表の児童数名と教授とで海に入り、実際にウニを30個ほど捕獲し、全員で解剖を行い、身の入り具合を確認しました。飢餓に強い特殊な生態・生命力を学ぶとともに、人間が駆除を行っている側面や、近年注目されつつある活用方法・活用研究についても学び、多様な生物が暮らしやすい海にしていくために、自分たちができることを考えました。
大正9年より舞鶴かまぼこを製造、販売する㈱嶋七にて、舞鶴市で古くから親しまれる名産「舞鶴かまぼこ」の製造を見学しました。
地元の魚を食べることで巡り巡って海の環境を守ることに繋がることを学び、最後にはできたての「舞鶴かまぼこ」てんぷら(ひらてん)を全員で試食しおいしさを体感しました。家に帰ってからもこのおいしさや、地元の魚を食べることで海の環境を守ることに繋がることを家族や友達に伝え、「自分たちにできることをしよう」と話していた様子でした。この後、「舞鶴かまぼこ」を製造販売する㈱嶋七とのオリジナル商品を販売予定で、オリジナルパッケージにはイベントを通して子どもたちが学び感じたことの一言メッセージを掲載予定です。
「水中めがねを初めて使って海の中を見たが、たくさんの生き物が見れて楽しかった」「思っていたよりも海水が冷たかった!」「できたてのてんぷら(ひらてん)すごくおいしかった!帰ってからも食べたい!」「水中めがねを初めて使って海の中を見たが、たくさんの生き物が見れて楽しかった」「初めての天橋立でシーカヤックからの景色が最高だった」「教えてもらった教授のように僕もなりたい!頑張って勉強して京大に入りたい」など、様々な感想が寄せられました。子どもたちは、今回のイベントを通して、京都の海に関する学びを深めるとともに、自らの日常が「海」に関わっていることを感じているようでした。
先生方からは、「たくさんの経験をさせてもらい、子どもたちが本当に楽しそうだった。この経験や学びを今後に繋げられるよう、戻ってからもしっかりと振り返り会を行います。」と話してくださいました。
イベント名 | 「海の京都調査隊」~舞鶴湾の生態系を調査せよ~ |
参加人数 | 小学校5生 24名 |
日程 | 2023年6月10日(土)~11日(日) |
場所 | 京都府宮津市・舞鶴市 |
主催 | 海と日本プロジェクトin京都実行委員会 |
協力 | 京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所、光華小学校、㈱嶋七 |