みなさんは鳴き砂って知っていますか?上を歩くとキュッキュッと音が鳴る砂のことで、砂が汚れてしまうと鳴きません。
国の天然記念物にも指定されている、鳴き砂で有名な京丹後市の琴引浜。美しい琴引浜ですが、実は20年前ある大きな試練に遭遇していました・・・。
今年6月、琴引浜では海岸で拾ったゴミが入場券、というイベントが催されていました。
朝から砂浜に漂着したゴミを拾う多くの参加者たち。京都府外からの参加者の姿も見られました。福岡県から参加した男性はナホトカ号事故でのボランティアがきっかけで琴引浜にやってくるようになったと言います。このナホトカ号の事故こそが、琴引浜が遭遇した試練だったのです。
1997年、タンカー・ナホトカ号が島根県沖で座礁。6000キロリットルを超える重油が日本海沿岸に漂着するという大惨事が起こりました。重油は京都の海岸にも流れ着き、海上保安庁や海上自衛隊、地元警察の機動隊のほかにも、地元住民、全国から集まった多くのボランティアたちが清掃活動に従事しました。流出した重油は生態系などの環境面はもちろん、沿岸での社会生活・経済活動にまで大きな被害をもたらしました。
被害は当然琴引浜にまで及び、3ヶ月にもわたって地元住民や全国から集まったボランティアたちが砂浜の清掃にあたりました。
事故から20年たった今年、事故を忘れないためにも、琴引浜では当時の記録写真がパネル展示され、重油まみれの砂や漂着物も当時の惨状をつたえました。今の琴引浜の砂が鳴くのは、当時の懸命な清掃活動の賜物です。
私たちに様々な恩恵を与えてくれる海。しかし、ひとたびナホトカ号のような事故が起きると、その被害は膨大な範囲に及んでしまいます。海は世界とつながっている、という意識を持ち続けたいものです。
この内容は、7月10日(月)にKBS京都「おやかまっさん」(10:30~11:55)で放送されました。
後日YouTubeにもアップ予定ですのでお楽しみに!