家庭で魚をさばく機会が減ったといわれる、最近の日本の食事情。そこで魚の調理法を学びながら、貴重な恵みをもたらす海の環境にも想いを寄せてもらおうと「海と日本 さばける塾 in京都」が、10月29日(日)に開催されました。「さばけるマスター」をめざすこの実践型講義を、番組で取材。KBS京都の森谷威夫アナウンサーらも参加して、みなさんと一緒に魚の調理に挑戦しました。
会場となった京の食文化ミュージアム「あじわい館」には、親子連れをはじめたくさんの参加者が訪れました。「魚が好きな人!」という森谷アナの呼びかけに、たくさんの参加者が手を挙げます。魚は好きなんだけど、魚の調理は苦手…という方が多い様子。そこで、町のお魚屋さんたちによる京都水産物商業組合のみなさんが指導員となり、参加者の苦手克服をお手伝いしてくれます。
この日さばくアジをはじめ、タイやハマチなど全国から届いた11種類の魚を準備。指導員の方々は、魚の種類や特徴、扱い方などを実際にふれてもらいながら、参加者に伝えていきます。タラをさばく実演もあり、子どもたちは普段目にすることのない光景に目を輝かせます。
魚の知識を深めた参加者は、いよいよアジの三枚おろしに挑戦。指導員のお手本を参考に、一所懸命さばきます。アジをさばく上で意外と難しいのが、硬くてギザギザした「ゼイゴ」の処理。「切りにくい」と弱気になる子に、「しっぽをしっかり持って」と、森谷アナもアドバイスします。
初めはたどたどしかった包丁さばきも、教えるほどに腕を上げる子どもたちを見て、指導員も熱が入ります。そして、見事に三枚おろしが完成。切り身は持ち帰って、ご家庭で食していただきます。
怖がることなく魚を調理するわが子を見て、頼もしさとともに、家庭に魚を持ち込む必要性も感じたと話す参加者。また「これからは自分でやってもらおうかな」と、にっこり笑うお母さんも…。「週に一回、二週に一回でもご家庭でさばいてもらえたら」と、指導員の方々は願いを語ります。
最後に「さばけるマスター」の認定カードが授与され、新たにさばける男子・さばける女子が誕生。魚をさばくことを通じて、食のなかにある命と、その命を育む海の偉大さも感じる体験となったにちがいありません。
この内容は、11月23日(木)にKBS京都「おやかまっさん」(11:00~11:55)で放送されました。