皆さんこんにちは!京都大好きライター、沢本ゆきです。
朝晩めっきり冷え込むようになり、厳しい冬の足音が聞こえてきました。夏とはまた違った魅力を見せる丹後や舞鶴で、ある高級食材が獲れるのをご存知でしょうか?高級食材の宝庫でもある京都の海ですが、最近注目されているのが『ナマコ』です!今回は舞鶴の黒い珍味、ナマコのお話をしたいと思います。
ナマコってどんな生き物?いつの季節が美味しいの?
…とピンとこないかもしれませんが、ナマコの旬は11月~3月。冷たい海で美味しくなる生き物です。夏が苦手で、海水温が高くなると休眠状態になり海底でじっと動かずに過ごします。宮津湾や舞鶴湾の穏やかな海には、ナマコの餌となるプランクトンが多く良質なナマコが獲れるのです。京都府内で水揚げされるナマコの約半数が舞鶴産なんですよ。そのことから、おいしいナマコをもっとたくさんの方に知って頂けるよう、京都産ナマコのブランド化の取り組みも行われています。日本では生のまま酢ナマコにして食べられることが多いですよね。一見すると、本当に食べられるのか疑わしいような見た目ですが、一度食べてみるとその独特の食感が病みつきになってしまう方も多いと思います。ナマコは捨てるところがほとんどなく、内臓も塩漬けにして『このわた』や『このこ』として珍重されています。少しの量でお酒が進んでしまう事請け合いのとってもオツなお味なのです。
生のまま食べてももちろんおいしいナマコですが、近年注目されているのは『干しナマコ』です。中国では薬膳料理の材料としてもよく使われることで有名ですね。ナマコを一旦茹でて乾燥させた干しナマコは、低カロリー高たんぱく、その上コラーゲンやミネラルも豊富!美容や健康のためにもぜひ召し上がっていただきたい食材です。京都では干しナマコを使った新しいお料理に挑戦するお店や、干しナマコの可愛い?見た目を活かしてストラップなども作られていますので是非チェックしてみてくださいね。
魚でもなく貝でもなく不思議な姿のナマコですが、分類的にはウニやヒトデの仲間です。意外と古くから日本人と関わりがあったようで、古事記には既に『海鼠』という記述があるのです。
ある日、アメノウズメノミコトがすべての魚を集めて「お前たちは天つ神の御子につかえるか」と聞いたところ、ナマコだけが何も答えなかったので「この口は答えない口か」と言って小刀でナマコの口を裂いてしまったそうです。だから今でもナマコの口はギザギザになっているんだとか。
答えなかったナマコの真意は分かりませんが、結局人間においしく食べられちゃってるナマコなのでした。