皆さんこんにちは!京都大好きライター、沢本ゆきです。
以前、夏が旬のカレイについてご紹介しましたが、今度はヒラメ!養殖技術が向上し、一年を通しておいしいヒラメが食べられるようになったとはいえ、やはり旬の時期にこそいただきたいものです。今回は、寒くなるとおいしくなる、ヒラメのお話をしたいと思います。
ヒラメはその名の通り、平べったい形をしています。目が付いている位置でカレイと見分ける方法が有名ですが、よーく見ると顔つきが違うことがわかります。カレイは砂の中のゴカイなど小さな生き物を食べるので、歯も口も小さく可愛らしい感じです。一方、ヒラメは小魚やエビなどを食べて暮らしているので、あごがしっかりしていて歯も大きいのです。表側についた両目で餌を探し出し、見つけたら砂の中から一気にジャンプ!そのジャンプ力は10メートルにも及ぶとか。
さながらハンターのように餌となる小魚などを積極的に捕食するヒラメは、その運動量からカレイよりも歯ごたえがありしっかりした身になります。寒くなる晩秋から初春が美味しい時期で、中でも冬が最も脂が乗りつつ身が締まって美味しい旬です。
ヒラメと言えばムニエルやお寿司など、ちょっとよそいき気分でいただく魚ですが、是非食べて頂きたいのが、エンガワ!美味しいお寿司屋さんのエンガワをいただくと幸せな気分になりますね。
そもそもエンガワってなんでしょう?
ヒレ?ヒレだと硬くて食べられないですよね。
ヒラメには、体をぐるりと取り囲むようにヒレが付いていますが、そのヒレの骨一本一本にそれを動かすための筋肉がついているのです。その筋肉がエンガワと呼ばれる部分なんですね。身でもなく骨でもない。ヒレを動かすための筋肉だから、独特の食感になる訳です。丸々と太ったヒラメはそれだけエンガワにも厚みがあるので、両方の美味しさが楽しめます。ヒレを動かすための筋肉がエンガワと呼ばれるので、もちろんヒラメ以外にも『エンガワ』が存在することになりますが、体をぐるっとヒレで囲まれた魚ってあんまりいませんよね。そう考えるとやっぱりエンガワは、ヒラメ類ならではの味わいと言えます。新鮮なヒラメに出会えた時にはぜひエンガワも召し上がってみてくださいね。
カレイとヒラメでは付いている目の位置が違うというお話をしましたが、実は、孵化して10日目ぐらいまでは、普通の魚と同じように左右一つずつ目があり、背びれを上にして泳いでいるのです。それがある程度大きくなると、一般的にヒラメは左側、カレイは右側に目が移動して皆さんよくご存知のあの形になるんです。すごいですよね。あれっどっちやったかな?左ってどっち?自分から見て左?とか迷わないんですね。
よく女性は男性に比べて、地図を立体的にとらえるのが苦手なんて言われますが、男性にだって方向オンチの人は結構いますよね。ヒラメには方向オンチなんていないのかしら?私なんか街を歩いている時にふとお店に立ち寄ったら、どっちから歩いてきたかもう分からなくなっちゃいます(笑)。