いよいよ夏休みに入り本格的な海水浴シーズンが到来します!昨年は多くの海水浴場が閉鎖されていたこともあり、今年は休みの日に家族や友達同士で海に遊びに行く方も多いかと思います。楽しい海水浴ですが、海水浴場の指示に従って、きちんとルールを守り新型コロナの感染対策にも取り組むことをお忘れなく!
さて、海水浴客が増えるこの時期は海難事故も増加する時期です。海に潜む危険を理解していないと重大な事故につながってしまう可能性があります。今回は、事故の原因として多い「離岸流(りがんりゅう)」についてのお話です。
離岸流とは海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとするときに発生する強い流れのことです。波は沖から海岸へ打ち寄せますが、海水はどんどん岸に貯まるので、どこかから沖にもどろうとします。この時、岸から沖の方へ向かって一方的に流れる速い流れのことを「離岸流」または「リップカレント」と呼びます。
・海岸が外洋に面しているところ
・遠浅で、海岸線が長いところ
・近くに人工構造物があるところ
で発生しやすいと言われています。一旦発生した後、1ケ月近く同じ場所で発生し続けることもある一方、発生から2時間後には位置を変えることがあり、また砂浜の整地や入れ替えで流れや発生状況が変わることもある気まぐれな性質を持っています。離岸流に流されると、知らず知らずのうちに沖まで流されてしまうことがあるので、注意が必要です。
では、離岸流に流されてしまったときはどうすれば良いのでしょうか?流されていると感じたら、以下のように対処することが大切です。
・あわてず落ち着く(パニックにならない)。
・可能であれば、まわりの人に流されていることを知らせる。
・岸に向かって泳ぐのではなく、岸と平行に泳ぐ。
・沖向きの流れを感じなくなったら、岸に向かって泳ぐ。
・泳ぎに自信のない方は、無理に泳ごうとせず浮くことに専念する。
離岸流は決してめずらしいものではなく、毎年どこにでも発生する流れです。海水浴やサーフィンを楽しむ人々で賑わっている京都の海水浴場でも離岸流の発生が報告されています。離岸流の特性を知ることで、安全な海のレジャーが楽しめます。楽しい海水浴にするために次のことにも注意しましょう!
・当日の天気予報を確認し、無理な日程では泳がない。(無理して泳いで、流される人が多い)
・遊泳禁止区域では泳がない。(監視員やライフセーバーがいる海水浴場を選ぶ)
・監視員や地元(海の家など)の方からの正しい情報で、子供でも安心して遊べる場所を選ぶ。
・波が高い時は、海に近づかない。
・突堤や構造物の近くでは泳がない。
・砂浜が削られている場所付近では泳がない。
・子供から目を離さない。
・複数人で行動し、砂浜等で休憩中の方は、海に入っている仲間を注意して見るようにする。
・飲酒後や体調の悪い時には、海に入らない。
・海に入る時は、気が付かないうちに沖へ流されて慌てることがないよう、周囲を観察するなど注意しながら遊ぶ。
この記事は、海上保安庁ホームページを元に作成しました。(2021年7月)
より詳しい情報は海上保安庁ホームページをご覧ください。