みなさんは京丹後・久美浜町の郷土料理「このしろ寿司」を知っていますか?
聞いた通り、魚の「コノシロ」を使ったお寿司なのですが、実はちょっと珍しいお寿司なんです。今回は、そんなこのしろ寿司についてご紹介します。
このしろ寿司とはその名の通り、コノシロをまるごと使った姿寿司!古くは保存食として冬につくられていました。冬期限定の冬の味覚です。
「コノシロ」という名前にはあまり聞き覚えがないかもしれませんが、江戸前寿司の定番の光り物「コハダ」が成長したもので、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロの順に大きくなる出世魚です。
このしろ寿司には、久美浜湾で獲れた25cmほどに成長したコノシロを背割りにして中骨をとり酢に漬けて締めて使用します。ここからがちょっと変わったところ。この締めたコノシロの中に、酢飯ではなく、麻の実を少し入れて炒ったおからを詰めるのがこのしろ寿司です。酢飯ではなくおからを使ったお寿司、かなり珍しいですよね。愛媛県宇和島にも、酢飯ではなくおからを使用した「丸寿司」という郷土料理があるそうです。また、熊本県の天草地方にもコノシロを使用した「このしろ寿司」という郷土料理がありますが、そちらはおからではなく酢飯を使用した姿寿司なのだそう。
京丹後の郷土料理である、おからを使用した「このしろ寿司」を作っているお店は、久美浜町でも2件ほどに減ってしまったそうで、さらに生産時期も限られているので、かなり珍しい郷土料理です。運良く見つけたらぜひ食べてみたい一品ですね。