海水浴シーズン真っ最中の今、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
海水浴に行ってきたよと言う方、これからという方、忙しくてそれどころではないという方などなど、いろいろな方がいらっしゃると思いますが、この夏は全国各地で連日の猛暑日を記録しています。
みんなの共通語は「暑い!暑い!」ではないでしょうか。
そんな時こそ、せめて海のことを考えて少しでもひんやりした気分になってほしいものです。
海と言えば「京都の海」をもっと知ろうシリーズ第5弾。今回は伝説です。「京都の海」の懐の深さをぜひとも知ってくださいね。
日本各地に伝わる伝説の中でも、最も有名な伝説のひとつが浦島伝説です。日本人なら子どもの頃に必ずと言っていいほど聞いた昔話で「むかし♪ むかし♪ うらしまは♪」という童謡はだれもが口ずさめることでしょう。
実は、この伝説の原型となったのが8世紀に成立した「丹後国風土記」に収められていたと言います。まさに、発祥は「京都の海」がある丹後国(現在の京都府北部)だったという事です。諸説あるとはいえ、長い年月をかけてこの地から全国に広まっていったと考えると感慨深いものがあります。
そして、「京都の海」のある京都府北部には、この物語ゆかりの神社があります。
浦嶋神社
京都府与謝郡伊根町字本庄浜141
令和7年には創祀されてから1200年となる由緒ある神社で、宝物資料室・浦嶋明神縁起絵解き解説もあるそうです。
嶋児神社
京都府京丹後市網野町浅茂川
ひっそりと海の見える場所に祭られている浦島太郎と亀。近くの八丁浜小浜海水浴場では、亀を助けるシーンや玉手箱を開けるシーンが目に浮かぶのではないでしょうか。
網野神社
京都府京丹後市網野町網野789
三柱の神さま 日子坐王(ひこいますのみこ) 住吉大神(すみよしおおかみ) 水江浦嶋子神(みずのえのうらしまこのかみ)が御鎮座されております。
竜宮城で時を過ごした浦島太郎が故郷に帰ると竜宮城で過ごした時よりも長い年月が経っていたという「時間がズレる現象」が描かれています。宇宙旅行やタイムトラベルを扱うSF作品ではこの時間のズレが定番の描写になりますが、この時間のズレを「ウラシマ効果」と呼ぶのだそうです。
物理学においても「ウラシマ効果」はアインシュタインの相対性理論「早く移動するほど、止まっているもより時間の進み方が遅くなる」で予言されており、わずかな時間のズレはいろいろな場面で実証されています。※物理学用語ではありません。
水の江里浦嶋公園にあるモニュメント(写真①)はそんな「浦島伝説」の時間のズレをイメージさせます。8世紀に成立した「丹後国風土記」から現代の物理学まで思いを巡らせながら眺めるとより楽しいですね。
水の江里浦嶋公園
京都府与謝郡伊根町字本庄浜111-1
「羽衣伝説」こちらも日本各地に伝わる有名な伝説です。京丹後市の羽衣伝説は「丹後国風土記」に収められていたというところも「浦島伝説」と同じです。
こちらも諸説ありますが、日本最古の羽衣伝説として京丹後市峰山町にある磯砂山(いさなごさん)が発祥の地と言われていて山頂には天女のモニュメントがあります。
天女が水浴びしていると、老夫婦に羽衣を隠されて天に帰ることが出来なくなり、老夫婦と酒を造って暮らしはじめ、やがて酒造りで豊かになった老夫婦は天女を家から追い出します。追い出された天女が最後にどどまった地が竹野郡舟木里奈具の村(京丹後市弥栄町船木)だといいます。
奈具神社
京都府京丹後市弥栄町船木273
羽衣天女が祭神として祀られた豊宇賀能賣命であるとされています。
磯砂山
京丹後市峰山町鱒留
360度のパノラマで丹後の山々を見渡すことができます。