京丹後を走る国道178号(丹後町〜久美浜町)は、平成19年(2007)12月に近畿第3号の日本風景街道「丹後半島・古代ロマン街道」として登録されたルートです。
リアス海岸がつくる入り江や湾が連続し、海と山が織りなす変化に富んだ景観が続きます。古代には大陸・朝鮮半島との交流を支えた“海の玄関口”として栄え、多くの歴史遺産が残る地域でもあります。
そんな丹後の魅力を、地質の視点から味わうのが「京丹後ジオパーク」の旅。今回は網野エリア・夕日ヶ浦をめぐる見どころを紹介します。
夕日ヶ浦といえば温泉やカニが有名ですが、何より多くの人を惹きつけるのが日本海に沈む美しい夕景です。白い砂浜がどこまでも続くロングビーチを見渡す位置には、「YUHIGAURA」(モニュメント)が設置され、海辺の象徴的な撮影スポットとして親しまれています。さらに、ビーチのど真ん中に立つ「ビーチブランコ ゆらぎ」は、ブランコに腰かけ海風に揺られながら絶景を楽しめる人気のフォトスポットとなっています。
この砂浜の背後には、約13万年前の海面上昇期に形成された海浜砂層の段丘が広がっています。その後、海から運ばれた砂が風によって内陸側へ押し上げられ、長い時間をかけて古砂丘と新砂丘が重なり合う台地がつくられました。現在の穏やかな砂浜の風景の裏には、海と風が織りなすダイナミックな地形の歴史が刻まれています。
箱石の西側にある北向きの海食崖では、こうした砂丘の断面が層状にはっきりと露出しています。砂がどのように堆積し、砂丘がどのように成長してきたのかを読み取ることができる、京丹後ジオパークならではの地質の成長記録が見える場所です。
夕日ヶ浦はいわずと知れた温泉の町。そして温泉そのものが、長い年月をかけて生まれた大地の営みを感じられる地質遺産でもあります。
京丹後市・木津温泉の地下には、約6000万年前に形成された花崗岩が広がり、その上に約400mもの厚さで、かつて海底だった堆積岩が重なっています。木津温泉の源泉は、この花崗岩に走る断層の割れ目(泉脈)から湧き上がっていると考えられています。まさに地球の歴史が生んだ恵みです。
しらさぎの湯
しらさぎの湯は、丹鉄・夕日ヶ浦木津温泉駅に併設された足湯で、旅の途中に気軽に温泉のぬくもりを味わえます。
天平15年(743年)、疫病に苦しむ人々を救うため、僧・行基が湧出させたと伝わる歴史ある湯でもあります。泉質は単純温泉(低張性・弱アルカリ性)、泉温は40℃。素朴でやさしいお湯が、ほっと一息つかせてくれます。
五色浜の波食棚
浜一帯に転がる色とりどりの礫が見られることから五色浜と呼ばれています。波の力によってつくられた平坦な岩場である波食棚が大きく広がり、重なる地層や奇岩を真直で観察できる絶好のスポットです。この浜では、昭和2年(1927)の地震(北丹後地震)による約50センチ隆起した波食棚も見ることができ、大地の動きを実感できる貴重な場所となっています。
また、日本海を望む抜群のロケーションに、展望台や遊歩道が整備され、心ゆくまで観察できます。
砂丘農園
海岸沿いに広がる砂丘は、スイカやメロン・サツマイモなどの栽培が盛んです。その時々の旬のフルーツを味わってみてください。