サーフィンといえば、2020東京オリンピックで初めて実施され、日本人がメダルを獲得したことが記憶に新しいですね。
サーフィンが他のスポーツとくらべて違うのは、海という自然と一体となって行われるところです。二つとない波に乗るその一体感がサーフィンの魅力であると言われています。
そこで、サーフィンのことを教えてもらおうと、京都西ノ京で店を構えて38年のサーフィンプロショップ「Banks」を訪問しました。
オーナーは村田さん。コーチやジャッジなど資格も保有され、長くサーフィンの世界で貢献され、今も幅広いご活躍をされています。
サーファーとしての視点から、いろいろな話を伺うことができました。どの話もとても興味深く、とても熱く語っていただきました。
サーフショップらしく派手なデザインにペイントされたサーフボードとファンキーな文字の看板が目につきますが、お店は静かな住宅街の中にありました。
店内は、サーフボードとウェットスーツ・ドライスーツがずらりと並んでいます。当然ですね。「Banks」ではSUP(スタンドアップパドルボード)も扱っておられます。
SUPというと観光客向けのアクティビティとして人気があることは知っていましたが、SUPは競技種目としてオリンピックでも実施される可能性がある競技種目だそうで「クルージング」「SUPレース」「SUPサーフィン」と三種類の競技があり、それぞれ使うボードも違うということを教えていただきました。
店内にはサイン入りのTシャツやユニフォームがたくさん飾ってあります。サインは誰のものか伺うと、なんと東京五輪2020のサーフィン競技の日本人メダリストのサインだといういことです。さらには世界中のサーファーのあこがれ「トムカレン」のサインもありました。さりげなくこのようなサインが飾られてあるのは、オーナーのこれまでのサーフィン界での活躍やポジションがあればこそだといろいろと話を聞いていて納得しました。ただ、お店の奥の方を見上げると、なぜか野球?のユニフォームがあります。
野球のユニフォームが二つあり、それぞれ「HEIAN」と「MEIJI」とあります。
「Banks」のオーナー村田さんは、元々は平安高校・明治大学と野球部に所属されていた野球エリートでかなりのレベルの選手でご活躍されていたようです。しかし、志半ばある事情で京都に帰ってこられ、サーフィンと出会ったのはそれからだったそうです。さすがに野球で活躍していただけあってサーフィンを始めてなんと2年でプロになられたということです。
今や、サーフィンプロショップのオーナだけでなく、JSA(Japan Surfing Academy)の代表ヘッドコーチでもいらっしゃいます。コーチやジャッジとしてはもちろん、コーチの育成(資格認定委員)までも手掛けられているということです。もちろんSUP協会のインストラクターもされています。サーフィン界で大活躍真っ最中の方だったのです。
ショップではサーフィン教室もされてますので、興味ある方はお店をのぞいてみてはいかかでしょうか。気さくなオーナーが迎え入れてくれますよ。
Banks
〒604-8426 京都市中京区西ノ京船塚町9-8西ノ京ハイツ1階
TEL:075-823-2340 FAX:075-823-2280
12:00~20:00
サーフィンをどこでやるかは波があるかどうかです。サーファーたちは、南風が吹くときは太平洋、北風が吹くときは日本海に波を求めて向かいます。
村田さんには、京都の海について聞きました。
京都の海はほかの海に比べてなんといってもきれいに尽きるということです。海水はきれいで透明度は桁違い、砂浜もきれいで、波もサーフィンに適したいい波が来ますよということでした。サーファーがよく行くのは八丁浜、浜詰、夕日が浦、琴引浜など。京丹後は春秋冬のスリーシーズンでサーフィンができるということです。京丹後の海はサーファーにも愛されています。そして京都の海では京丹後がサーフィンのメッカということになるようですね。
波や風のある海は大変危険です。初心者の方は、必ず経験者の方とご一緒に!
サーファーたちは、ビーチはみんなが使うものという意識がとても高いそうです。ただ、サーファーだからといって特別なことをしているわけではありません。基本ルールはみんなと同じ。持ってきたものは必ず持って帰る。我々にできることは、マナーを守って、当たり前のことを当たり前にすることだと言われます。
また、サーファーは車での移動がつきものです。車は駐車場に止め、駐車中はアイドリングをストップすることも守るべき重要なルールだそうです。
地元の自治会やローカルサーファーがビーチクリーンを実施する時に参加させてもらって、その活動を通じて親睦を図っていくことを大切にされています。自分たちだけで勝手に清掃活動はしない。地元には地元のルールがあります。普段から海を守ってくれている地元の方には敬意を払って、みんなで協力していくことがサーファー共通のルールなのだそうです。
海洋ゴミが増え、地球温暖化による海面上昇が現実のものになると、サーフィンができる砂浜もどんどん少なくなるのではないでしょうか。未来のサーファーたちにきれいな海を残すことは我々の使命なのです。