カニの季節は、まさに今が真っただ中。
冬の贅沢といえば、やはりカニではないでしょうか。
ズワイガニ、タラバガニ、松葉ガニ、越前ガニ、コッペガニなどなど、種類や呼び名は多彩ですが、意外と知られていないことも少なくありません。
ここでは、カニの基礎知識とともに、京都ならではのブランドガニについても学んでいきましょう。
そして今年の冬は、宴席で「カニ番長」の座を狙ってみませんか。
<カニとは>
硬い甲羅とハサミを持つ甲殻類の一種。
世界中にさまざまな種類が存在し、海だけでなく淡水や陸上にも適応する種もいます。なんと世界では約7,000種以上が知られているといわれています。
川遊びで見つけたサワガニを、子どものころに飼った経験がある人も多いでしょう。
しかし、いつしか子どもの頃のカニの思い出は「とれとれぴちぴち~♪」のフレーズとともに、冬の贅沢を象徴する高級食材のイメージへと変わっていった人も少なくありません。
日本では「冬の味覚の王様」として親しまれ、ズワイガニやタラバガニを代表に食卓を華やかに彩ります。
<カニの種類>
日本海で獲れる代表的なカニは「ズワイガニ」「ベニズワイガニ」「タラバガニ」など。
中でも京都で味わえるのはズワイガニで、冬の味覚として特に人気です。
ちなみにタラバガニは足が8本。分類上はエビやヤドカリの仲間ですが、見た目や食味から「カニ」として扱われています。
ズワイガニは日本海から北海道のオホーツク海、三陸沖の北太平洋、さらにはカナダ・米国・ロシア・韓国・北朝鮮など幅広い地域で水揚げされます。
ズワイガニには「松葉ガニ」や「越前ガニ」など、産地によってさまざまな呼び名があります。京都・兵庫・鳥取で獲れるものは「松葉ガニ」、福井で獲れるものは「越前ガニ」と呼ばれています。さらに各地域でブランド化が進み、独自の名前で親しまれているのも特徴です。
これらの呼び名はオスのズワイガニに使われます。メスのズワイガニは「セコガニ」「コッペガニ」と呼ばれ、小ぶりながら卵(内子・外子)を持ち、独特の味わいを楽しめます。
<京都のブランドガニ>
京都北部の漁港で水揚げされるズワイガニの中でも、鮮度や品質を厳しく選別したものが「ブランドガニ」と呼ばれます。
京都のブランドガニは、間人・網野(大善)・舞鶴の3ブランド。丹後町、網野町、舞鶴漁協に所属する計17隻の底曳網漁船によって水揚げされます。
ただし、水揚げされたすべてのカニがブランドガニになるわけではありません。船上で厳しいチェックを受け、合格したカニにのみ手作業でタグが付けられます。タグが付けられて初めて最高級のブランドガニとして市場に出ることができます。
ブランドガニには漁港ごとに色や刻印が異なるタグが付けられます。これは品質保証の証であり、ブランド名や水揚げ船名が刻印され、色で産地が分かる仕組みです。京都府では緑色のタグが使用されています。
<漁期>
日本海のズワイガニ漁には資源保護を目的とした漁期や漁獲サイズ、漁獲量などの取り決めがあります。
ズワイガニの漁期は毎年 11月6日から翌年3月20日頃まで と定められています。
現在では冷凍技術の発達により一年中食べることができますが、新鮮で旬な味わいを楽しめるのは冬の寒い時期だけです。
<カニ料理>
ゆでガニ:シンプルに塩茹でして素材の味をそのまま楽しむ定番
カニ刺し:刺身で甘みととろける食感を堪能
焼きガニ:炭火や鉄板で焼き上げ、香ばしさと旨味を引き出す
カニすき鍋:昆布だしで煮込んだ身を楽しみ、最後は旨味たっぷりの雑炊で締める冬の定番
甲羅焼き:甲羅に味噌や身を詰めて炙り、濃厚な味を楽しむ逸品
<カニの保管>
買ってきたカニを保管する時は、お腹を上にして保管しましょう。甲羅が上のままだと、かに味噌が流れて足の肉身に混ざってしまうのだそうです。おいしく召し上がるにはお腹を上に。
通販などで買うカニは、専用機で冷凍されていて、解凍後一番おいしい状態となるように工夫されています。再冷凍してしまうとせっかくのうまみや食感が失われてしまいます。食べきれそうにない場合は、食べる分だけ解凍することをおすすめします。
<カニのさばき方>
①甲羅を裏返してお腹にある「ふんどし」を外します。
②あしの付け根を外しましょう。手でも外せますよ。カニみそなどがついていたらあとで甲羅に戻しましょう
※シイタケのような「ガニ」と呼ばれている部位(カニのエラ)は取り除きましょう
③あしをそれぞれはさみで切っていきます
④ばらけたらハサミやカニスプーンを利用していただきましょう