解体ショーといえば「マグロ」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、今回主役となったのは冬に旬を迎える「ぶり」。
2026年1月28日、京都市内の葉室幼稚園で、園児を対象にした「ぶりの解体ショー」が行われました。
このイベントは、魚がどのように食卓に届くのかを知り、生き物への感謝の気持ちを育んでほしいという思いから続けられている取り組みで、今回で8回目。
園児たちは、お魚屋さんの軽快なトークと迫力ある解体の様子に目を輝かせ、普段は意識しにくい“食の裏側”を体験する貴重な時間となりました。
ショーは魚屋さんの自己紹介からスタート。
「お魚屋さんって何をしている人?」
「魚ってどこにいるの?」
「みんなの近くに海はある?」
「お店に並ぶ魚は、どこからやってくるの?」
園児たちに問いかけながら、魚が遠い海から多くの人の手を経て運ばれてくることを、やさしい言葉で伝えていきます。
続いて、いよいよ主役のぶりについて。
ぶりは“出世魚”として知られ、関西ではモジャコ → ワカナ → ツバス → ハマチ → マルゴ → ブリと成長に合わせて名前が変わります。
魚屋さんは、ハマチとぶりの実物を並べて大きさの違いを説明。園児たちは「こんなに大きくなるの?」と驚きの表情を見せていました。そして、いよいよ解体ショーが本番へ。
包丁が骨を断つ音が響き、頭を落とし、三枚おろしへ。背と腹を切り分け、スーパーで見慣れた切り身の形へと変わっていく様子に、園児たちは食い入るように見つめていました。
次の日の給食では、このぶりが「ぶりの照り焼き」として提供される予定。自分たちが見た魚が給食になるという体験は、きっと忘れられないものになるはずです。
今回解体ショーを見せてくれたのは、北村さん(丸友水産)林さん(井正商店)のお二人。
園児たちの素直な反応や笑顔が励みになっていると話します。
「食べ物は当たり前にあるものではない。生き物として育ち、多くの人の働きによって私たちの食卓に届く。そんなことを感じてほしい」
「できれば魚をもっと好きになってくれたら嬉しい」
今回のぶりは京都産ではありませんでしたが、「中央市場で京都産の扱い量が増えれば、京都の魚で解体ショーができる日が来るかもしれない」と、今後への期待も語ってくれました。
今回の解体ショーは、魚だけでなく、野菜・果物・肉など、すべての食べ物が多くの工程と人の手を経て食卓に届くことを、体験的に学ぶ場となりました。
ぶりが切り身になるまでの過程を目の前で見た園児たちは、食べ物への感謝や、自然の恵みの大切さを強く感じたはずです。
この体験が、好き嫌いなく食べる姿勢や、海や川、山といった自然を大切にする心につながっていくことでしょう。
未来を担う子どもたちが、食と自然に感謝する大人へと成長していくことを願います。