京都市の夏の風物詩として広く知られる「五山送り火」。その代表格といえば、如意ヶ嶽の斜面に「大」の字を浮かび上がらせる「大文字」です。
こうした「大文字」の風習は、奈良や箱根(神奈川県)、大館(秋田県)など日本各地に点在していますが、その多くは地元の方々に守り伝えられている大切な行事です。
実は、京都府北部の京丹後市久美浜町にも、同じような伝統があるのをご存知でしょうか。
久美浜では毎年夏の千日会(せんにちにえ)に合わせ、「かぶとやま」にかがり火で「大」の字を灯す「大文字」が行われてきました。この夏の情景を冬にも楽しんでいただけるよう、光のイベントとして形を変えて始まったのが「久美ナリエ」です。
つまり「久美ナリエ」とは、冬の夜空を彩る、もうひとつの「大文字」なのです。
名称の由来は神戸の「ルミナリエ」にちなんだもので、光のイベントとして地域を盛り上げる意図で名付けられたといいます。
1990年代後半から地域住民や観光協会の協力でスタートし、以来、毎年クリスマスと年末年始に開催され、久美浜の冬の風物詩として定着しました。
2025年年末年始の点灯期間
12月24日・25日(クリスマス) 18:00〜24:00
12月31日(大晦日) 18:00〜翌朝6:00
1月1日〜3日(正月三が日) 18:00〜22:00
鑑賞スポット:如意寺境内や久美浜浜公園から眺めるのが人気。湾を隔てて「大」の字が浮かび上がる姿は幻想的です
冬に見ることができる「大文字」です。夏ではお盆の送り火として慰霊を目的とした行事であることが多いですが、この冬の「大文字」はひと味違った趣旨で楽しめそうですね。
クリスマスを演出する一助として、年末カウントダウンを楽しむお供としても楽しめるイベントです。
ぜひ、訪れてみて「海の京都ツウ」としての磨きをかけてみてはいかがでしょうか。